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  • 2015.04.04 Saturday
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201 朔風払葉


秋を、感じる間もなかった。北風が吹き、コートを身に纏う。色づくいとまをあたえられなかった木々が、慌しく燃え上がり、そして葉を、振り落とす。まさに、朔風払葉(きたかぜ このはを はらう)だ! 街に残されたたくさんの落ち葉を見て、冬がやってきたのだと、目でそう認知する。そう。冬はもうやってきていたのだ。一年が終わろうとしていることを認めたくないからか、それとも、心の準備をする時間がなかったからか。

慌てる心には、見通しが必要だ。呪文のように”ミトーシ ミトオシ”と唱えながら、一つ一つ道筋をつけていく、、そばから予想外の出来事が次々と。これはもう、笑うしかあるまい。ならば覚悟を決めて、笑いながらも進みましょう。どっさりと落ちた葉っぱをザクザク、巨人になったつもりで踏みしめながら。
 
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200 肩肘をはることもなく


”そこに紙袋なんて置いてあるから、ついつい頭を入れてみたくなってしまうではありませんか。”

腹ぺこの”ペコ”と名づけられた猫が、さっきまで香水瓶の入っていた紙袋に、ゆっくりと頭を差し入れる。好奇心は時にリスクを伴うけれど、それによって開かれる世界もある。


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199 それはまるで難解な知恵の輪のようなもので

こうすれば解決する!という定石を覆し、意外なところを見つけて攻めてみることが大切なのだ。ままならない心に対するアプローチは、いつも混迷を極める。深呼吸やおいしいコーヒーを飲んだだけでは届かない、細胞の奥で絡まった(ように思える)部分を、なんとか解きほぐすべく、、あれやこれやと試してみるしかないのだ。

そこで、何か欲しい訳でもないのに買い物に行ってみたり、とりたてて行きたい訳でもない映画を観てみたり。マッサージに行って直接体に働きかけ、、香水をひとふりし、日常にはないものをまとってみる。気力の続く限りもがいているうちに、、稀に起こる必然の偶然が、難解な知恵の輪を少しだけ動かす。


その日は、移動時間をつくって本を読もう、と、少し離れたショッピングモールに出かけた。欲しいものも特にないので、眺めるように品物を見ていると、「あの、お客様」と声がかかった。振り返ると、見知った販売員の方がそこにいた。

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198 レイルロードドラマ


「30分程時間をいただければ、ネームを入れることができるのですが」と、ブランドイメージに合わせたベージュの制服姿の女性が言った。”いえ、新幹線の時間があるので”・・・書き込んだばかりの顧客カードから同郷であることを知った女性は、「新幹線ですか?時間、長くかかりますね」と一言。行きに買った本が読みかけだった僕は、”いえ、ゆっくり本が読めますから”と店を後にして、15分ほど待たせてしまった友人のもとに向かった。

ゴールデンウィーク。なじんだ食事、なじんだ店、なじんだ道、なじんだ猫。相も変わらず(飽きもせずに)これが幸せ!と毎回同じことを繰り返す旅先にあって、今回は、1つ違うことをしてみよう、と、帰郷タイムリミット1時間前にして、香りを求めることにした。

母の日用に、と試しに両の手の甲に塗ってもらったハンドクリームから、甘い香りが広がる。(*1)ショルダーバッグには、初めて自分用に買った、”香り”を忍ばせ、発車まで残り30分に迫った東京駅へと急いだ。(*2)

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197 空気

幸いにも伝わった気持ちの流れより、うまくいかなかった想いの方に心ひかれてしまうのはなぜだろう。朝から久々にホットケーキをつくり、満腹で寝転んだベッドの上で流し始めた音でひかれたのは、恋だの愛だのの終わりを歌ったものばかり。


どんな運命が 愛を遠ざけたの
輝きは もどらない
わたしが今 死んでも

畠山美由紀の歌う『翳りゆく部屋』を聴いていると、なぜだか少し懐かしい感じがし、母がまだ若かった頃、荒井由美の曲をよく聴いていたことを思い出した。

家にはレコードプレイヤーもステレオセットもあった。しかし、音楽はいつもラジカセから流れていた。休みの日、ラジオのランキング番組の順位に耳を傾けながら家事をする母。好きな歌手の曲がランクにはいるとラジカセの前に行きスタンバイ。録音するためには録音ボタンと一緒に再生ボタンも押さなければならなかった。そこで、ディスクジョッキーの声や前の曲の後奏が残らないようタイミングをはかって一時停止ボタンも一緒に押しておくのがポイントだった。
そして、これぞ、というタイミングで一時停止ボタンを解除して録音を始めるのだけれど、いざ録音が始まっても、テープの残量が気になったり、重ね録りをしすぎて音が傷んで聴こえたりと、手間も含めて、たくさんの空気を録りためていたんだろう。今になって、そんなことを思い出す。しかし、子どもの頃、”死”という言葉の重さのために全く分からずにいた詞が、それほど衝撃を持って発せられたものではないこと、今なら少し分かる気がする。(*2)

友人とよく話す。本当にいろんなことが変わったなぁ、と。

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